あたしの通う高校の名物はズバリ!パン屋さんに売ってる『はちみつパン』。

すっごい美味しいらしいの!あたしはまだ食べたコトないけどね。

 

 

08 はちみつ

 

 

急いでっ!またパン売り切れちゃうよっ。」

「いーじゃねーかパンくらいー。」

「だめっ。あたし今日こそはちみつパン食べるんだからっ!」

面倒くさがるの腕を引いて教室を出る。向かう先はパン屋さん。

あたしの高校はお弁当持参か、購買か、このパン屋さんでお昼を買うのが決まり。

そんな中でもパン屋さんのパンはホントに美味しいって評判。

中でも一日50コ限定のはちみつパンはあたしが行く頃にはもう売り切れちゃってるくらい人気。(あたしが行くのが遅いだけかもだけど。)

・・・だっていっつもやる気ないんだもん。竜太みたいに頑張ってよ。

竜太っていうのはすごく仲良い男友達で、あたしと同じくはちみつパンをずっと狙ってる。

でも・・あたしの彼、はそうゆーのに興味ないみたいで、いっつも購買。

と、いうワケでいっつもあたしははちみつパンを買い損ねてるんだけど。

「あっ!まだあるっ!!」

一生懸命を引っ張ってきた甲斐あって、はちみつパンはあと三つ残っていた。

「ほら見てっ。はちみつパンげっとー。」

はちみつパンの入った包みをの目の前に突き出す。はカツサンドとくるみパン買ったみたい。

「ねっ、今日は教室!教室で食べよっ。」

「はいはい。」

 

 

 

 

「あっ、はちみつパンだー!」

「いいなーってゆーか、間に合ったんだ?」

クラス中がのはちみつパンに注目。俺の隣では嬉しそうに笑ってる。

「えへへー頑張った甲斐あり!ホントおいしいーしあわせー。」

・・・そんなに旨いか?それ・・。はちみつ味のデニッシュパン、って感じしかしねーけど。

ー、一口ちょーだい。」

「あっ、竜太ー。今日も買い損ねたのー?」

そんなトコに登場したのが竜太。と同じくはちみつパン狙いの男子。

・・ってオイ!あげんなバカ!!間接キスになんだろバカっ!!

俺の叫びを無視しては竜太のためにパンをちぎる。・・おい、今さっき口つけてただろ、ソコに。

「はい竜・・・んっ?!」

とっさに動いた俺のカラダ。の唇はほんのりとはちみつの味がした。

 

「・・あー分かったよー。やっぱいらねーわ。じゃーなっ。」

竜太が去っていったのを見届けて、俺はから離れる。

「なっ、何すんのっ・・・恥ずかしい。」

頬を真っ赤に染めて俯いた彼女が、その後俺だけにパンを分けてくれたっていうのは、竜太には秘密。

 

 

 

 

* end *  『甘甘10title 08 はちみつ』

 

 

 

 

by Ayuna**

はちみつ、でした。
あんまり甘くないか・・?『はちみつ』っていうくらいだから、ベタベタに甘くしたかった・・という考えもあったのですが。

精進します・・。

それでは、感想待ってます☆