ちょっと薄暗くて、陰気で、活気のない廊下でも。
あなたと歩けば、特別な場所になる。
01 廊下
「起立、礼っ。」
「「さようならーっ。」」
今日一日の終了を告げる、学級委員の号令。頭を下げるのも程ほどに、教室を出ていくクラスメイトたち。
・・私だって例外じゃないワケで。机の上に置いてあったスクールバッグを肩にかけて、
「行こ、。」
「・・おう。」
隣にいた彼に話しかける。
とは、体育祭直後の席替えで隣の席になった。
・・多分、クラスのみんなが(というより柚馬くんと一葉が)気を使ってくれたんだと思う。
・・そう、です。
私とは、その・・・え・・っと。体育祭の日から、付き合って・・ます、うん。
リレーの後の、あの言葉を伝えた・・あの時から。
「・・私も、の側にいたい。」
「・・大好き、。」
・・正直、付き合ってるんだっていう実感沸かないけどね。
だって、付き合う前とあんまり変わらないから・・。
登校は今まで通り、奈帆と城戸君と四人で来てる(まあ・・実際にはあの二人は二人の世界に入ってるケド)し、
お昼も付き合う前から二人で食べてるし、下校も付き合う前から・・だし。
部活が忙しいからまだデートもしたコトないし・・ってゆーか、付き合う前から遊びに行ったりしてたし。
・・あんまり(ていうか全然)付き合う前と変わらない。
変わったコト、といえば・・無口なが、前よりは喋るようになったかな?・・多分。
奈帆いわく、『付き合って結構経つのに、キスもまだなんて・・ありえないッ。』らしいんだけど。
・・城戸君がフォローするには、『まあアイツも奥手だし照れ屋だししょーがねえって!』らしいんだけど。
・・でも、私は今で満足。
手を繋ぐだとか、キスだとか、・・そういう大きな幸せは、まだいらない。
ただ今は、
「今日ね、紅白試合あるんだよっ。」
「・・へえ。」
「今度も勝てるといいねっ、!応援してるからね!」
「・・おう。」
あなたの隣を、堂々と歩ける。
こんな小さな幸せが続けば、今はそれでいいの。
二人分の上履きの音。二人分の影。
些細な幸せ。
私たちの、幸せ。
*今日もまた一つ、幸せな想い出が増えるね。 01 廊下**
by Ayuna**
続編第一弾!いかがでしたでしょうか?
今回は、二人が付き合えたんだっていう事実を伝えたかっただけなのですが(汗。どこかに、ちゃんの告白の返事のセリフが隠れています。
探してみて下さいね!(ヒントは反転、です。・・お分かりですよね?このお題では、本編ではあまり見られなかった二人のラブラブっぷり?を書いていきたいと思います♪
亀更新になると思いますが、よろしくお願いします★!良ければ感想などBBSに書き込んでいって下さいね。