学期末試験も間近に迫った、ある日のコト。
「!今日の放課後四人で勉強会しようよ!」
02 図書室
「・・だって、。どうする?」
奈帆の提案を一通り聞いて、隣を歩いていたにそう尋ねる。
もうお決まりの質問となっていた『私たち、邪魔じゃない?』という質問に対する答え、それが・・
「だってさ、すっげー頭いいんだぜ?!勉強教えてもらえるじゃんッ!」
「そーそー、あたしも直哉もバカだし!ねっ、!いいでしょ?!」
・・っていう、理由だったから。決定権はにあるかなーって思って。
「・・・・・却下。」
ぼそりと、でもかなり威圧感のある声。・・絶対に承諾なんてしないって言ってるような瞳が・・何となく恐い。
「・・だって、奈帆。」
「「えーっ!」」
ブーブー反論する奈帆と城戸君。私の隣で、は大きく溜め息。
「ひどいよー!あたしたち友達だよねッ?!」
「そうだぞー!どうせと勉強するならオレらも混ぜろよっ!」
いや、友達だけどさ。てゆーか、一緒に勉強なんてしないよ?・・多分。
・・二人して泣きマネしないでよ・・。私の唇からも零れ出る、小さな溜め息一つ。
「・・だって、。」
「・・・・・・・・・・ハア。」
大きな溜め息一つ。それから面倒臭そうに後頭部を掻いて、「今日だけだぞ。」って呟く。
「「やったーッ!」」
さっきまでの泣きマネはドコに行ったのか、ニコニコしてる二人。
・・私との溜め息が重なった。
時は過ぎて、放課後。
夕陽の差し込む図書室で、大きなテーブルを二つ占領しての勉強会。
図書室はガラガラに空いていて、が城戸君に物理を教える声と、城戸君の唸る声だけが、私たちの鼓膜を震わせる。
私と奈帆は、二人で化学の問題集を広げてる。・・でも、
「・・ねえ奈帆、これ分かる?」
「ぜーんぜん。・・こっちは?分かる?」
「・・ごめん、分かんない。」
根っからの文系女である私たちが、そんな問題分かるワケもなくって。
奈帆はもう諦めちゃったのか、ノートの隅っこに相合傘を書きながらもうお昼寝体制。
(・・、化学も得意だったよね。)
教えてもらいたいな、なんて思ってチラリと隣のテーブルを見ても。
ソコには自称天才(でも実際は体育だけが取り柄の)城戸君が、独占中。
・・ちょっと羨ましい。・・私、ちょっと妬いてる?
・・・、そんなハズないよね?城戸君、男の子だし。奈帆の彼氏だし。の親友(多分)だし。
色々考えてたら、頭が痛くなってきた。
・・寝よう。
私も奈帆と同じように、お昼寝体制に入った。
「・・・・、・・・ろって、・・、。」
ゆさゆさ、と肩を揺すられる感覚に、頭上で聞こえる低い声。
・・・・・・?
うっすら目を開けて、目の前の人物を仰ぎ見る。
「・・やっと起きた。」
ハアってまた大きな溜め息吐いて、私の隣の椅子に座る。
窓の外の景色は真っ暗。私の向かい側にいたハズの奈帆はいなくなってて、随分と長い間寝ていたらしいコトが分かる。
「・・奈帆は?」
「さっき直哉が連れて帰った。」
「・・ごめんね、化学眠くて・・。」
「それ、琳堂も言ってた。」
「そっか。」
目の前に広がっていたハズの化学の問題集はキレイに片付けられて、テーブルの隅っこにまとまっていた。
がやってくれたのかな・・?・・照れちゃうだろうから、黙っとこ。
「・・で、ちょっとは進んだのかよ、化学。」
は私の問題集をパラパラ捲りながら言う。・・全然進んでないじゃん、って顔。
「・・全然。だって分かんないんだもん。」
思ったコトをそのまま口にすると、は困ったように笑って。
「じゃあ、明日も家庭教師か。」
・・って、呟いた。
「・・教えてくれるの?」
「・・あ?
・・・まあ、・・教えてやってもいーけど。」
照れたようにそっぽを向く。赤くなった頬を隠すように、帰るぞって私の手を握って立ち上がる。
「・・その代わり古典、教えろ。」
「えへへ、りょーかいッ!」
*明日は私が、アナタを独り占め。 02 図書室*
by Ayuna**
更新遅くなってごめんなさい!!お久しぶりです、あゆなです。
今回も・・手繋ぎ止まり(汗。
なんだかあんまりラブラブっぷりを見せ付けられていないような・・(涙。今後の発展に期待です。(滝汗。
ちなみにv
直哉は寝ている奈帆をお姫さま抱っこして連れて帰ったんですよー(裏設定・・?直哉×奈帆、スキです。個人的に(殺。
それでは、感想等お待ちしています★!