『ごめん、今日先に帰ってていいよ。』

 

放課後の練習が終わった後、にそう言われた。

音楽室に忘れモンしたらしい。・・ドジだよな、アイツ。

 

 

03 音楽室

 

 

・・まあ、先帰れって言われて大人しく従うツモリは全くなかった。

抵抗したらうるさいだろうから、とりあえず頷いて部室に帰ったんだ。

・・したらさ、俺が着替えてる間にホントに一人で行っちまった。

おばけ屋敷とか苦手なクセに。夜の学校なんて、ほとんどおばけ屋敷みてーなモンじゃねーか。

・・付き合う前に遊園地の所詮「子供騙し」のおばけ屋敷を本気で恐がっていたが脳裏に浮かんだ。

 

・・アイツ、絶対恐がってる。

 

着替えてたセンパイたちに適当に挨拶して、俺は部室を出た。

向かうはもちろん、アイツがいる校舎の中へ。

 

 

 

 

 

「・・あれー・・絶対ココらへんにあるハズなのにー・・。」

ピアノの下を覗き込んで、溜め息。・・ココにもない。

今日の授業の時に音楽室に置いてきちゃったノートを探して、早くも10分は経つ(と思う)。

自分の席の周りにはなかったし、の席の周りにも、一葉の席の周りにもなかった。

で、授業の帰りにちょっとだけ弾いたピアノの周りを探してるんだけど・・ない。

 

来週ノート提出なのに。

私はもう一度自分の席に戻って、捜索を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あった!」

かれこれ一時間は経った頃、ピアノの横の譜面台の上にあったノートを発見した。

ピアノを見た時どうして見つけられなかったんだろ。

自分の慌てぶりを情けなく思いながら、鞄の中にそれをしまう。

鞄を肩に提げて音楽室の外に出る、と―――

 

「・・見つかったか?」

 

そこには、帰ったハズのの姿。

 

「な、・・何でいるの?」

部活が終わって一時間くらい経ってるのに!ていうか、先に帰ってって言ったのに!

・・もしかして、待っ

「別に待ってたワケじゃねーよ。」

 

私の脳内を読んだように、がその考えを否定する。

「・・え、じゃあ・・何で?」

を見上げてそう問うと、は少し黙ってから、

「・・、たまたま通りかかったんだよ。」

と、苦しい言い訳をした。

 

「・・ご、ごめんね。待たせちゃって。」

そのの言い訳を無視して、とりあえず謝る。

は照れ屋さんだから、認めないだろうけど。

「だから、違うって言ってんだろ。」

ほら、ね。

でも・・今回ばかりは謝んないと!私のせいですっごく遅くなっちゃったし・・。

 

 

 

「・・るせーな、それ以上言うと置いてくぞ。」

・・ホントは待ってたんだけど。

だってほら、・・・女一人の夜道とか危険じゃん。を危ない目に遭わせたくなかったし、さ。

・・でも、それを認めるのは恥ずかしすぎる。

 

パチン、と音楽室の電気を消す。途端に真っ暗になる廊下。

まだ何かブツブツ言ってるを置いて歩き出す。

 

 

 

「ま、待って・・っ。」

「・・んだよ。」

 

 

「・・も、もう言わないから・・その、・・手、繋いで・・?」

 

ほら、な。は恐がりだから。

 

 

 

*繋いだ手から伝わる安心。暗くても、もう恐くない。   03 音楽室*

 

 

 

by Ayuna**

こんにちは、あゆなです。久々な更新ですv

相変わらず、よく分かんない内容でごめんなさい(汗。
しかも、あんまり音楽室て感じがしない・・!

とりあえず、素直じゃないくん+恐がりちゃん=萌え(爆。
というコトで・・(汗。

それでは感想お待ちしています♪