「ー・・ねっ、一生のお願い!」
奈帆の『一生のお願い』は、もう聞き飽きたけど。
「しょうがないなあ、分かったってば。」
それを聞き遂げてあげちゃう私も、随分なお人好しなんだろうな。
05 放送室
コトの始まりは、一週間前。
奈帆が、クラスの友達である佐紀から、仕事を頼まれちゃったのがきっかけ。
佐紀は陸上部なんだけど、ジャンケンで負けたらしく放送委員なんて面倒臭い仕事までやってる。
で、奈帆が頼まれた仕事っていうのがその、放送委員のお昼の放送の仕事なんだけど。
佐紀がお昼の放送を担当してる第三月曜日に、ちょうど陸上部の大会が重なっちゃったらしい。
仲の良い奈帆が、それの代役に選ばれたワケなのだけど。
「その日がね、丁度あたしと直哉の半年記念日なの!だから・・」
だから。
代わってもらえないかな?
散々言い合ったけど、結局は私の根負け。首を縦に振らざるをえなかった。
・・まあ、半年記念、だもんね。
奈帆にはいっつもお世話になってるし、これくらいしてあげようかなって思ったの。
「・・で、何流すんだよ。」
「え、と・・ココらへんにCDがあるからそれ適当に流してって言われた。」
で、それをに話したら・・案の定『俺も行く。』
というワケで、今は二人で放送室にいる。
「適当かよ。」
困ったように笑って、はCDがいっぱい入った棚をゴソゴソと漁り始めた。
「・・これは?『クラシック名曲集』。」
「・・やめとけ、眠いだけだろ。・・・これは?」
そう言って、が出したのは。
「『あなたと聴きたいラブ・ソング』?」
何このネーミングセンスの無さ。・・っていうのは置いといて。
まさかがこんなの出す、なんて思ってなかったし、ちょっと驚いた。
「・・・・・アイツら、今日半年だろ。
こういうの、イイんじゃね?」
別にどうでもいいんだけどさ、なんて言いながら、そのCDをセットし始める。
「覚えて、たんだ・・。」
「・・さっき自分で言ってたじゃねーか、お前。」
「あ、そっか・・。」
、私ね。
なんか嬉しかった。
が奈帆と城戸くんのこと、少しは気にしてるんだな・・って思って。
・・と城戸くんも友達だもんね。当たり前、って言っちゃ当たり前なのかもしれないけど。
でも、ってそういうのには興味無さそうに見えたし。
・・私との記念日も、部活があったから何も無かったし。
「きっと喜ぶね、奈帆たち。」
「・・聞いてるかわかんねーけどな。」
これ流しとけば昼も終わるだろ、って言いながらお弁当を広げ始める。
私ね、そんなの不器用な優しさが、・・
*大好き、だよ。口に出しては言えないけれど。 05 放送室*
by Ayuna**
・・このお題、何だか難しいです。
お久しぶりです、あゆなです♪あゆな自身放送室なんて入ったコトないので・・
正直ネタがありませんでした!←
・・管理人失格です。こんな駄文ですが、良ければ感想お願いします!